横浜 おめめどうセミナー雑感

ここ最近、プライベートな理由で引きこもっていまして、たけとんぼの活動にほとんど参加できていないぢーこです。
が、昨日は横浜のあざみので、敬愛する奥平綾子さん(障害者の居心地いい暮らしを提唱しつづけ、丹波篠山から毎日発信しています。(株)おめめどうの社長さんです)のセミナーがあったので、参加してきました。

 

奥平さんには、二人のお子さんがいて、次男ダダ君が自閉症です。

 

知的障害も併せ持っていて、小さいころ一番つらかったのは「コミュニケーションがとれないこと」だったそうです。
そこから、「障害のある人とのコミュニケーション」をど真ん中に置いて、わが子の支援活動⇒起業となっていかれました。

 

うちには、定型発達の子どもしかいませんが、

 

これまで自閉症支援を実践する過程でうまれてきたさまざまな知見が、実は定型発達の子どもたちにもとても有効なように、

 

奥平さんの思想も、まさに「子育ての真髄」を語っていらっしゃるなあと思うのです。

 

***

 

でも、その話をする前に。

 

ここで少し、私が体験した自閉症支援の歴史を振り返ってみます。

系統的に学んだわけではないので、プライベートな遷移の記録として呼んでください。

療育の世界そのものが、このように移り変わってきたわけではありません。(と思います、よく知りませんが)

 

私が最初に「自閉症・発達障害」という概念と出会ったのは、都内のプレイパークで行われた「感覚統合学習会」でした。

プレイパークでの遊びが、アメリカで発達障害を持つ乳幼児対象に行われる「感覚統合療法」と言われるものに、とても似ている、というところから『子供の遊びと感覚発達の道筋』の基礎を教えていただきました。

 

そこから、感覚統合学会主催のセミナーに参加したりして、独学で学んできたわけですが、

 

最初の頃(といってもほんの10年ほど前です)は、「こどもに失敗させない事=成功体験を積ませること」を最重視する、というのが療育の根底にありました。

 

常に周りから「できないやつ・ダメなやつ」だと思われ、二次障害に至る危険をはらんでいる「発達障害の子どもたち」に、療育の場でまであえてつらい思いをさせることはない、極力失敗させず最後は必ず、楽しい経験で終わらせること、「できた」という喜びで終わらせることを教わりました。

 

なるほどな、とその時は思いました。

そういう繊細な子供たちなんだな、じゃあ、メンタルな部分を守ってあげることを考えないといけないんだな、と。

 

その後、独学で読み進めたいろんな本の中に「花風社」の有名な「自閉っ子、こういう風にできている」というシリーズがありました。

 

アスペルガー当事者で、大人になった「ニキリンコさん」と「藤家寛子さん」のお二人が、主に自分の感覚面での他者との違いを語っていらっしゃるとてもいい本です。

 

その流れで、花風社の本をいろいろ読み漁るうちに、社長の浅見淳子さんが、これまでの「失敗させない療育」「発達障害は先天的なものだから、治らない」という二つの潮流に真っ向から反対を唱えていることを知りました。

 

「発達障害者だって、成長はする、治るところは治る」

腫れ物に触るように、失敗回避ばかりさせないで、本人に努力させる経験が彼らを成長させる

 

要約すると、こう言っていらっしゃるように読めました。

「鍛える」というワードが一番近いかなあ。

障害があるからって、「鍛えてもらう」経験を奪うな、と言っているように感じました。

 

こちらも、なるほどと思いました。

スパルタは嫌いですが、いずれ社会に出ていく子どもたちを、囲い込んで純粋培養するわけにもいくまい、自分でできるトラブル対処は、自分で学んでもらう方がいいだろう、と。

 

そして、最後に出会ったのが奥平さんです。

 

奥平さんの思想はシンプルでした。

「良かれと思って周りがあれこれするより、本人がどうしたいのか聞いてみたらええやん」

 

これは衝撃でした。

当たり前のことなのに、誰も言ってこなかったからです。

 

「重度の自閉症、重度の知的障害がある人たちの言う事なんか、大した考えじゃない、信用できない、ちゃんと私たち大人が最善の道を考えてあげなくちゃいけない」という、自覚・無自覚を問わず、たいていの親御さんがおもっていそうなこの考え方を、かるーく足払いしてしまう思想でした。

 

「そうはいっても、重度の子たちの自発的な表出(気持ちや意思を伝えようとすること)なんて、あり得ないでしょう?話す言葉はエコラリア(記憶に強く残っていたり、直前の耳からの刺激に引っ張られて、特に思ってもいない、伝えたいと思っていない言葉を繰り返すこと)だったり、ある時は正反対だったり、何を信じたらいいのかわからないから困っているのに」

 

多くの人たちはそう考えました。

 

でも、奥平さんがすごかったのは

「口で言わせるからわからんねん、書いてもらえば本音が出てくるで」

と筆談によるコミュニケーションを提唱し続けたところです。

 

それは、一朝一夕にできることではないし、筆談コミュニケーションの前に、選択活動、スケジュール、カレンダーなど、日常の暮らしの支援があって初めて、整った筆談コミュニケーションができるのですが、

 

「このやり方ならできる」という見本が奥平家の次男ダダ君を筆頭に全国に何千人もいるわけです。

 

そして、彼らはみんな穏やかな青年期を迎え、自分で自分の暮らしを考えて、自分の収入内でできる楽しみを見つけて楽しく生活している。

 

自分の意思を尊重してもらえる暮らしが、気持ちの安定を生み、穏やかな暮らしを保証しているのです。

 

「本人の意思を尊重する」なんて、聞けば当たり前のことなのですが、その当たり前の「本人の意思」が誰にもわからなかったのが自閉症というものだったのに、

 

そこに「意思を伝える手段」を教え、周囲とやり取りする=コミュニケーションをとる方策を切り開いて見せたのが、奥平さんだったのです。

 

すごい。

 

そのノウハウをここだけで伝えるのは難しいのでしませんが、今回のセミナーも「これ、定型発達の子育てをしているお母さんが聞いても、役に立つことだらけなのに」と思いながら帰ってきました。

 

いつか、そのエッセンスを抜き出して、子育て講座にできないかな、と夢を見たりしています。

わかってしまえば、簡単なこと。

「よかれと思って与えることをやめて、本人がどうしたいのかを丁寧に聞く」

赤ちゃんでも、高校生でも、同じことです。

 

おめめどう、いいですよー。(^-^)

 

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どんな人たちが、どんな気持ちで運営しているのか読んでみてください。

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