2016年

1月

07日

上の子を可愛がりたい・仲良くしたい

そのお母さんは言いました。

 

「毎日毎日、上の子を怒鳴ってしまう。

 

片付けてもすぐに散らかす、急いでいるときに限ってぐずぐずしている。

私を困らせようとしているとしか思えない。

 

あれやりたい、これやりたいと、要求されるのも嫌なんだけど

その要求されたことをかなえるために、今こうして、お前のために

私はやりかけの家事を放って準備してやっているのに、

早くやりたい、ねえ、まだ?まだ?と、横でうるさく騒がれる。

 

やりたくて、うれしくて、テンションが上がっているのはわかる。

子どもの無邪気さなんだろうと頭では理解している。

 

でも

気が付くと、すごい形相で、大声でうるさい!と怒鳴ってる。

 

子どもはその時だけおびえたように私を見ているけれど

すぐに忘れて散らかしたり、要求を始めたり。

私はその横でイライラ、イライラ。

 

怒鳴りたくないのに、優しくしたいのに、一緒に楽しく遊びたいのに

最初は一生懸命、優しくしてるのに

すぐに私の努力は私の怒鳴り声で台無しになる。

 

この子はきっと、私に怒鳴られた過去を忘れない。

この子はきっと、私を怖がっている。

この子はきっと、私を憎むだろう。

 

私はなかよくしたいのに、愛したいのに。」

 

激高して、泣きながら、言うのでした。

 

この気持ち、たぶん、どんなお母さんも一度は味わっていると思います。

 

そして、子どもを上手に愛せない自分をダメな親だと責めているんですね。

 

何とかしてあげたいと思うんだけど、私に何ができるだろう。

 

同じ経験を持ってはいるけれど、それをその都度工夫して解決してきたわけじゃないし。

 

ごちゃごちゃの嵐が過ぎるまで、毎日、マイナスを見ないように、できるだけ外に逃げ出して

 

やりすごしていただけだもんなあ。。。

 

 

 

「でも、ぢーこは、今、子どもと仲良しでしょう?どうして?

 

私と同じように怒ておびえさせた経験を持ちながら、どうやって仲良くなったの?

 

この子は、私を愛してくれるようになるの?」

 

あのね、きっと今だって愛されてるし、子どもだって仲良くなりたいって思ってるよ。

だって、お母さんなんだもん。

 

子どもって無条件にお母さんが好きなんだもん。

 

信じられない?

 

じゃあ、ちょっと私の話をしてみようかな。

私のうちは、子どもが二人、七つ違いのきょうだいです。

 

七つも違うと、それはそれは楽ちんだったと思うでしょう?

確かに、上の子は話せばわかってくれるし、自分でできることも多いし、何しろ、生まれた時は一年生だし、

 

ほぼ、一人っ子を二回育てているようなものでした。

 

でも、やっぱり、鬼門というのはありまして。

 

それが表れてきたのは夏休みでした。

 

元々、私は暑いのが苦手です。それだけで、普段より二倍は不機嫌です。

 

なので、夏はエアコンの効いた室内に引きこもっていたい、または、水に浸かっていたいのですが、

 

子どもと向き合って過ごす室内は監獄だし、赤ん坊はオムツが外れていないので公営プールには入れません。

 

かといって、幼児が遊ぶような水遊び場は、小学生の活発な上の子が満足できません。

 

上の子は、まだ低学年だから保護者なしにプールに入ることはできないし。。。

 

仕方ないので、一計を案じ、公営プールに二人を連れて行くことにしました。

 

赤ん坊のオムツを替えたタイミングでパンツをはかせ、

 

「この子、まだしゃべれませんけど、オムツは取れてますよ」

 

って顔して、プールに潜り込んだのです。

 

上手くいったと思って着替えているときに、ちびが更衣室で漏らしました。

 

係の人に怒られて、三人とも退場を命じられました。当たり前ですね。(^^;ずるはいけません。

 

が、上の子は納得できません。

 

せっかく暑い中やってきたのに、もう水着に着替えたのに、なんでプールに入れないの?

 

この子のせいだ、この子が漏らすから!

 

泣いて怒りました。

 

普段は、聞き分けのいい子だったんです。びっくりするくらい。

 

朝は早起きして、下の子のお世話男すると張り切ってるし、何でも下の子を優先してくれるし。

 

きっとたくさん我慢していたのでしょう。

 

ほんとに、わがまま言って怒ったのは、あの時だけだったと思います。

 

係の人は、うんざりした顔で見ているし、下の子もつられて泣いてるし、暑いし、

 

私自身も、せっかくきたのに、と、がっかりした気持ちが高じて泣きたくなってるし。

 

そのうち、経験したことが無い感情が湧いてきました。

 

自分で止められないほどのぐしゃぐしゃの黒い感情です。

 

気付いたら「いい加減にして!」と上の子をぴしゃりと叩いていました。

 

ますます泣き叫ぶ子ども。

 

虐待現場を目にして、なんだか、鬼の首でも取ったような顔している係員のおばちゃん。

 

とんでもない母親がいたもんだ、と遠巻きに眺めるほかのプール客のみなさん。

 

いたたまれず、上の子も下の子も、水着のまま引きずって帰りました。

 

帰りの車の中では、私も大泣き、三人のわんわん泣く声が響いていました。

人って、一度怒ると怒ることに慣れます。

 

回路がつながってしまった、というか。怒りトンネルが開通してしまったというか。

 

その夏は、プールもぐりこみ失敗事件を皮切りに、私は上の子をよく怒りました。

 

叱るではなく。

 

感情に任せて怒る。

 

そして、眠ってしまってから、寝顔を見ては涙する。

 

そんなステレオタイプな母ちゃんに、自分がなるとは思わなかったです。

 

人生最悪の夏でした。

 

 

 

ね?誰にでもある話でしょう?

 

今はなんだか、子育ち支援とか言っちゃって、えらそーにいろいろ書いてる私ですが、

 

メーターが振り切れたときには、どうやっても、自分を制御できませんでした。

 

当時、上の子は二年生です。はっきりと記憶に残っているはずです。

 

でも、大きくなってからその話をしたら、気を遣ってくれたのか、本当につらくて覚えていられなかったのか

 

「そんなこと、あったっけ?わすれた」

 

と言いました。

 

 

 

私は、今もだけれど、当時も気を付けていたことが一つだけあって、

 

自分が悪かった時に、親の権威をかさにきて開き直ったりしない、という事だけは心掛けていました。

 

「誰に育ててもらってると思ってるのよ?」っていうあれです。

 

言葉の通じない赤ちゃん時代から、子どもに悪いことをしてしまったら「ごめんね」と謝る。

 

それだけは、心掛けすぎて無意識化しているくらい、ちゃんとやってきたつもり。

 

これかな?これが良かったのかな?と思います。

 

 

 

虐待されて育った子の体験談を読むと「自分が悪いから怒られるのだと思っていた」とよく書かれています。

 

どう考えても、親が悪いのに。子どもは何にも悪くないのに。

 

 

 

私は、自分が謝ることで「あなたは悪くないんだよ」という肯定だけは、きちんとしてきたんだなあと思います。

 

もちろん、理不尽に怒ったりしたことは、今も思い出すと胸の痛い経験ですが

 

それでも、そのことが、上の子にとって決定的なとげや傷になっていないのは、

 

この「謝る」があったからじゃないかと思っています。

 

「謝る」でいったんリセットしていた、というか。

 

「嫌われてるわけじゃないんだよ」「わるいのは、お母さんだったんだよ」

 

これを伝えることさえできていれば、

 

子どもは、ちゃんと次の日も、できそこないの母ちゃんを愛してくれるんだと思うのです。

 

 

だからね。

 

今、渦中にあって辛いのはとってもわかるんだけど。

 

大丈夫、これが一生続くわけじゃないし。

 

出来そこない母ちゃんの八つ当たりだってわかっていれば、

 

そのうち子どもだって、怒られないすべを身に着けるようになるし。

 

ごめん、って思ったらちゃんと謝る。

 

そして、本当は大好きって、伝える。

 

それだけ、忘れなかったら、そんなに未来におびえることはないよ。

 

 

それとね。

 

もう一つだけ大事なことを。

 

努力をやめてみるっていうのは、試してみる価値があるよ。

 

今、びくびく暮らしているでしょう?

 

「私が子供を怒らなくていいように、この子が、機嫌よく過ごせるように頑張る!」

 

って思ってるでしょう?

 

たいていの怒りは、報われない気持ちから発するよね。

 

こんなに頑張ったのに、何一つうまくいかない、っていうね。

 

じゃあ、いっそ

 

「あれやりたい、これやりたい」

 

って言われたら、

 

「そっかー、やりたいんだねえ。

 

でも、お母さんは嫌です。めんどくさいです。自分でできることして遊んでください」

 

って最初から言っちゃう。そして、自分のやりたいことを続ける。

 

子どもはびっくりすると思うけど、そのうち慣れて、自分でできることも増えるでしょう。(笑)

 

頑張って「いいお母さん」をしようと思う事、

 

頑張って「いい妻」をしようと思う事。

 

それは、自分を苦しめます


報われない努力はやめる。報われる努力だけに傾注する時間を確保する。

 

それが、自分を大事にすることの始まりなのかもしれないなと思います。

少なくとも私は、そうやって回復してきたしね。試してみて損はないと思いますよ。

 

 

 

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